ジャズの名曲『Take Five』

「Take Five」と聞けばジャズの名曲を思い出す人がいるかも知れません:

名前は知らなくても、サビのメロディを聞けば誰でも知ってるはず。

「Take Five」の意味

そんな「take five」は、英語では5分休憩と言う意味ですね:

take five

(アメリカ、カナダ、日常会話)ある活動中に、短い、通常は5分の休憩を取る。

(US, Canada, informal) To take a short, typically five-minute, break from some activity.

海外ドラマでの「Take Five」

この表現「take five」は海外ドラマでも非常によく出てきます。みんなで共同で何かをしていて、一回休憩を取ろうという時が典型的でしょうか?

glee/グリー

Now, if we’re gonna make this thing work, we can’t look back. Take five, guys.
『glee/グリー』でウィル
Glee [Credit: Fox]

『glee/グリー』では歌の練習中に先生のウィルがTake fiveです。

ママと恋に落ちるまで

テッド: Hey, you guys wanna take five?
『ママと恋に落ちるまで』で、テッドとロビンとオーケストラ
How I Met Your Mother [Credit: CBS]

『ママと恋に落ちるまで』では、個人で呼んだミニオーケストラにtake fiveするか聞くテッド。

「Five」の持つ意味

さて、この表現について、個人的に不思議なのが、どうして「take four」でなく「take six」でなく、いつも決まって「take five」、数字の「5」なのかです。

これに関しては、英単語「five」自体に秘密がありました:

five

短い休憩、特に5分間の。

A short rest, especially one of five minutes.

ということで、英語では「5」自体に「短休憩」の意味が既にあるのですね。

だから、『神話クエスト』で人事の女性が言うことを聞かない社員達に苛立って「I need five」と言っていたのでした:

Do you hear me? I am not going back! You know what? I need five.
『神話クエスト』で、人事のキャロル
Mythic Quest [Credit: Apple TV+]

彼女は短い休憩が必要なのですね。多分、怒りの沸点を超えているところから、5分じゃ収まらなそう(笑)

「Take Five」 vs. 「Take a Five」

ところで、海外ドラマの英語字幕を調べていると「take a five」と言う冠詞「a」が付くパターンも見つけましたが、字幕上では「take five」の頻度のほうが圧勝ですね。

なお、下記シーンは『ブレイキング・バッド』からで「take a five」のフレーズが出てきますが、文脈上意味は違ってますね。

ソウル: Give with the dollar. Be smart.
覆面男: All I got is a five.
ソウル: I’ll take a five.
『ブレイキング・バッド』で、ソウルを誘拐するウォルターとジェシー
Breaking Bad [Credit: AMC]

弁護士にお金を渡して契約すると「弁護士・依頼者間の秘匿特権(attorney-client privilege)」が自動的に発生するから、1ドルをポケットに入れろと弁護士ソウルは覆面の二人に諭します。何かあっても秘匿特権を盾に証言を回避できるのですね。ただし、覆面男がその時持っていたのは5ドル札(a five)。もちろん、それを受け取るソウルです。

最後に

今回は「five」に「短い休憩」の意味があるのを見てみました。そこから「take five」「take a five」「need five」などの表現に繋がっているのですね。

日本人的には、やっぱし5分は短い気がしちゃうんですよね。トイレにダッシュしないと行けない感じじゃない?(笑) take tenでは駄目なのか?って、実はそれもあるのですが、使われる頻度はほぼありませんでした。やはりfiveなのか・・・:

take ten

(アメリカ、カナダ、日常会話)ある活動中に、短い、通常は10分の休憩を取る。

(US, Canada, informal) To take a short, typically ten-minute, break from some activity.

それでは〜


take the fifthだとまた別のイディオム↓