シェイクスピアのイラスト

Words and Phrases Coined by Shakespeare

シェイクスピアの続き。今回は、What's done is done. (もう終わってしまったことだ)。へえ、こんな定番表現もシェイクスピアですか。かなり意外。太古の昔とまでは言わないでも、聖書なんかにはありそうな教訓って感じですけどね。終わったことにいつまでも執着するな的に。この表現も海外ドラマでも頻繁に使われます。まあ、シェイクスピアを意識して述べているわけでは無いでしょうけれど。それでは、ドラマでどんな使われ方をしているか見てみましょう。

『THIS IS US 36歳、これから』から

ケヴィンが主演しているシットコムを辞めると言い出した後のTV局側とのミーティングから。What's done is done.を使い「もう終わってしまったこと、だろ?」として、move onしたいケヴィンですが、テレビ局側と交わした契約がそうはさせてくれません。Glowのシーズン2もそうでしたけれど、このストーリー展開も結構ありますよね。

ケヴィン: What's done is done, right? I mean, you know, can't we just... move on?

プロデューサー: Brian... speak.

法務担当: You're contractually bound to the show for another two years.

This Is Us/Season 1/Episode 2

そう言えば、日本でのシーズン2はどうなったんでしょう?

『GOTHAM/ゴッサム』から

対立しているフィッシュとペンギンは話し合いの場を設けます。友だちになれるというペンギンに、しばらく考えてからWhy not?と肯定的なフィッシュ。What's done is doneと過去のことは忘れる素振りですが・・・。元々の部下が対立する組織に寝返ったわけですから、心中穏やかでないことは事実です。

ペンギン: We can be friends.

フィッシュ: Friends? Hmm. Sure. Why not? What's done is done.

ペンギン: I'm so glad you feel that way.

Gotham/Season 1/Episode 8

『ゲーム・オブ・スローンズ』から

個人的に好きなキャラのシオンのセリフから。人質として過ごしていたスターク家のウィンターフェルから鉄諸島に戻ってきたシオン。父との再会を懐かしむも、スターク家に人質として居たほうが長いという辛い現実。スターク家の領主ネッドが逝ったことの感想を聞かれ、What's done is done.です。スターク家に同情は無い素振りです。

シオン父: Stark had you longer than l did.

シオン: Lord Stark is gone.

父: And how do you feel about that?

シオン: What's done is done.

Game of Thrones/Season 2/Episode 2

シオン: What's done is done.
『ゲーム・オブ・スローンズ』で、シオンは父にネッド・スタークが死んだことを伝える
Game of Thrones [Credit: HBO]

最後に

今回紹介した3例とも、やらかした事・イベントを過去のこととして、心機一転というニュアンスですね。面白いのが、What's done is done.と本人が言っても、他人が必ずしもそうは感じてくれない所。This Is Usも然り、Gothamのフィッシュだって内心そうは思ってません。GOTのシオンに至っては、スターク家へのひねくれた感情が後でとんでもないことを引き起こすわけですが。

似たような表現としてはwater under the bridge(過ぎ去ったこと)というのがありますので、そちらもチェックしてみて下さい。いずれにせよ、一区切り付ける時に便利なWhat's done is done.でした。シェイクスピアとか全然関係ないな(笑)

(追記)続編です。

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