句動詞「Buckle Up」と「Buckle Down」の意味の違い
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「Buckle Up」と「Buckle Down」
今回は句動詞「Buckle up」と「Buckle down」を見ていこうと思います。実際海外ドラマによく出てくるし、それに前置詞のup(上)とdown(下)でどういう違いが出てくるのかも気になります。
そもそも「Buckle」とは?
と、その前に、英単語「buckle」について少し触れておきます。これはすでに日本語「バックル」にもなっている「留め金」のことですね。ベルトのバックルと言えば分かるかと思います。
buckle
(可算)留め金、2つの物を留めるのに使われる、ベルトの端や紐の端を維持するのに。
(countable) A clasp used for fastening two things together, such as the ends of a belt, or for retaining the end of a strap.
そんなベルトのバックルを大量に集めている海外番組のキャラとしては、『ビッグバン★セオリー』のハワードが有名かな。次のシーンでは、シェルドンに自分のバックルコレクションを磨かせようとしています。彼がすごく変なのは、こんなに大量のバックルを所持していながら、ベルトは一本しか持ってないんです(笑)
そんなことなので、英単語buckleの動詞に「バックルで留める」の意味があるのは推測しやすいですね。それを踏まえて、句動詞Buckle up と Buckle downを見ていきます。
Buckle Up: 「シートベルトを締める」の意味
最初はupから。こちらには乗り物に乗った時の「シートベルトを締める」の意味があります。シートベルトのカチッとするところもバックルですから、これは納得ですね。
buckle up
(自動詞、イディオム的)シートベルトや安全ベルトを締める。
(intransitive, idiomatic) To fasten one’s seat belt or safety belt.
例えば次の『リック・アンド・モーティ』のシーンでは、リックとモーティが車に乗り込むと、後ろの席に怪物(エルム街の悪夢オマージュ)が居て、「シートベルトはしたか、野郎ども!」と脅かしてきます。
また、この句動詞が面白いのは、比喩的にも使われるところ。
例としては、次の『ビッグバン★セオリー』では、結婚後いきなり夫婦仲に亀裂が入るレナードとペニー夫妻。レナードはペニーの気持ちをなんとか引き留めようと必死。ただ、セリフがだんだんcheesy(安っぽい)になっていきます。しかしレナードはそんなことには構わず、cheesyと思うならBuckle upしろ(シートベルトをして備えろ)としてから、僕と結婚したままで居てくれとお願いします。これは部屋で交わされているセリフなので、当然比喩的にシートベルトをしろと言っているんですね。これから発するセリフはcheesy過ぎて、その衝撃度はシートベルト無しでは耐えられないというニュアンスです。
レナード: Huh? If you think that’s cheesy, buckle up. Penny Hofstadter, will you please stay married to me?
比喩ついでにもう一つ紹介させて下さい。実はこの言い回しって、個人的にめっちゃ好きなんです(笑)
自分を待ち受けている未来や、会社で担当してるプロジェクトでもなんでもいいんですが、そういったものの行く末が予定通り行かない(=トラブルが待ち受けている)ことが予想される場合、英語では比喩的にbumpy(凸凹な)と例えられるんです。その工程を道のりに例えた時、平坦でないってことですね。そんな比喩的な凸凹道をドライブする時、運転手・乗客はどうするでしょうか? もちろんシートベルトを締めるんですよ(笑)
次の『ジ・オフィス』では、ゴシップ話に花を咲かしているマイケル。いざ話が核心の面白い部分に入ると、Buckle up!と周囲に注意を呼びかけます。というのも、ここから先はbumpyだからです。シートベルト無しでは付いていけないほどの物語なんですね。
マイケル: Buckle up! It’s gonna be a bumpy one!
更には、『ブルックリン・ナイン-ナイン』でも同じ使用例が。署長が別の部門と言い争いになります。それを見たテリーは、Buckle upでシートベルトを締めろです。a hell ofを使って、これはすごい乗車になるとのこと。このように、 英語で「Buckle up!、道のりがすごいことになる」ってのは一種のテンプレフレーズなんですね。
Buckle Down: 「(仕事に)身を入れて取り組む、専念する」の意味
一方、downになると仕事などに専念するの意味が出てきます。
buckle down
(イディオム的)必要とされる力を発揮する;集中する;真面目になる;仕事や勉強に専念する。
(idiomatic) To put forth the needed effort; to focus; become serious; apply oneself (e.g. to work or study).
バックルをきちんと締めるんだから、真面目に取り組むってことですよね。「ゆるふん」では問題に真面目に対処できないんです。「褌(ふんどし)を締めてかかる」わけです。あら、なんと、日本語にもこのbuckleと同じニュアンスの「褌」がありますね(笑)
そんな「buckle down」が使われる例としては、『ビッグバン★セオリー』のシェルドンとラジが共同研究するシーンがあります。真面目に研究に取り掛かるのをbuckle downを使って言ってます。
ラジ: All right, let’s buckle down and work.
最後に
今回は2つの句動詞「buckle up」と「buckle down」 を見てみました。前者が「シートベルトを締める」のに対し、後者は「仕事に専念する」の意味でした。
ちなみに、海外ドラマではbuckle upのほうが3倍の登場頻度です。物理的にシートベルトを締めるのはもちろん、上で述べたように比喩的な使い方もできるので、使い勝手がいいのかもしれませんね。
それでは〜
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