核兵器発射! そのボタンとは・・・?

現在、ロシアのウクライナ侵攻で核兵器が使われるのではと世界は戦々恐々と固唾を呑んでいますけど、今回はその憂鬱な現実を直視することから逃げて、フィクション作品で登場するその核兵器を発射するボタンのお約束について見ていきましょう(実際、ボタンを押して発射するのかは定かではないですが・・・)。

TV Tropesでの「大きく赤いボタン」の記事

皆さんが核兵器を発射するボタンを想像してみると、十中八九赤いと思います(笑)

核兵器を起動させる赤いボタン
Image by Steve Watts from Pixabay

そうなんです、何故か赤いんですよね。

このことはテレビのお約束を集めたTV Tropesでも取り上げられていました。一部訳出してみます:

Big Red Button

真に強力な効果の起動装置は、通常制御コンソールのど真ん中に、時々物理的障壁の下に設置される。通常、危険の注意として赤色で着色される。

この大きな赤色のボタンを押すことは、話の筋上重要な機械の機能を起動したり、超絶兵器を発射したり、自己破戒の機構を起動したり、緊急の停止をしたりする。

The activation control of choice for any truly powerful effect, usually located dead center on the control console, sometimes under a molly-guard. It’s usually colored red, as a hazard warning.

Pressing the Big Red Button activates the function of a given machine that is important to the plot, be it firing the superweapon, activating the Self-Destruct Mechanism, or emergency shutdown.

ということで、この(大きくて)赤いボタンで意味深な兵器を起動するの お約束は、万国共通なのでした(笑)

個人的に「大きい」というのはそこまで意識したことがないんですけど、日本ではどうなんでしょう?

海外ドラマでの(大きくて)赤いボタン

以下、海外ドラマでのこのネタの言及シーンを見ていきます。

グッド・プレイス

コメディ『グッド・プレイス』では、ジェネットを再起動するボタンが砂浜にありましたけど、このボタンがまさにばかデカイ赤いボタンだったんですよね。この世界でジャネットを再起動するのはそれほどの事ってことでしょうか?(笑) これを見る限り、TV Tropesで言及された「大きい」というのはあながち間違ってないのかも。

『グッド・プレイス』で、ジャネットを再起動する大きい赤いボタン
The Good Place [Credit: NBC]

アンブレラ・アカデミー

『アンブレラ・アカデミー』では、5号の力で緊急で飛んだ先が核兵器で破滅する世界でしたっけ。そこでは、「大きくて赤いボタンで世界が終わる日は近い」というセリフが登場していました。

Reg, with all these bombs and big red buttons, we’re bloody close to the end of the world.
『アンブレラ・アカデミー』で、核兵器を起動する大きくて赤いボタンへの言及
The Umbrella Academy [Credit: Netflix]

コミ・カレ!!

『コミ・カレ!!』では、任務を終了させることを「hit the big red button」で例えるジェフ。任務の存在すら消し去るくらいのイメージですね。

ジェフ: Maybe I need to hit the big red button and bring an end to this operation.
『コミ・カレ!!』で、ジェフとアベッド
Community [Credit: NBC]

英語での形容詞の順番

なお、上のどの例も「big red button」と「大きい」「赤い」という形容詞の順番ですが、これは英語の文法でルールがあるからですね。

以下のgrammarlyのブログでこれは説明されています:

Adjective Order in English

  1. 限定詞(Determiner)・・・The, your, our, these
  2. 量(Quantity)・・・One, seven, many, few.
  3. 意見(Opinion)・・・Delicious, heroic, misunderstood, valuable
  4. 大きさ(Size)・・・Huge, tiny, medium-sized, small.
  5. 年齢(Age)・・・New, old, decades-old, second-newest
  6. 形(Shape)・・・Square, round, triangular, geometric
  7. 色(Color)・・・Blue, gray, yellow, red
  8. 原産国・材質(Origin/material)・・・American, wooden, velvet, African
  9. 修飾語句(Qualifier)・・・ Hound dog, denim skirt, pickup truck, vampire bat

これで言えば、「big」は大きさを表す形容詞なので4番。それに対し、「red」は色を表しているので7番。従って、big red buttonと言う順番で正解というわけ。

でも、この順番を覚える必要は全くありませんね。順番を間違っても死ぬわけじゃないし、しかも意味は通じるし。英語をたくさん浴びていれば、理屈抜きに、なんとなく順番は分かってきますって。こんなアホなこと覚えようとする時間があるのなら、海外ドラマを一本でも多く見たほうが身のためになります。

ちなみに、日本語だと「大きくて赤い」「赤くて大きい」、どちらもありそうですね。個人的には後者かなあ・・・。

最後に

ということで、人類を地球の表面から消し去るレベルの超絶兵器を起動する時に押すボタンは「赤色」をしているのでした(笑) プーチンが押さないことを祈りつつ。。。それでは〜