海外ドラマの「Not What It Looks Like」の意味

not what it looks like」の意味は「それ(あなたが目撃していること)は見た目の状況ではない」という意味。特別なイディオムとかじゃないんですけど、海外ドラマ、特にコメディーのシーンでよく使われるので紹介してみます。

典型的なのは、裸の男女が寝室から飛び出してきて、リビングルームにいる友達みんなに目撃されるシーン。視聴者を含め友達一同は当然二人は寝たんだなと思うわけですが、当の二人が「it’s not what it looks like」と言って否定をするんですね。つまり「見た目は二人は寝たように見えるけど(what it looks like)、実際は違うんだ(it’s not)」というわけです。

『ビッグバン★セオリー』で、ペニーとラジは寝室から一緒に出てくる
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

海外ドラマ通の人なら、数回はこのようなシーンは見たことがあると思います。何らかの偶然(脚本家の意思?)やボタンの掛け違いがあって、結果的にそのような状況に陥ってしまう。そして、本人たちは「it’s not what it looks like」と言って否定はするんですけど(そして通常、本当に見た目の状況とは違うんですけど)、そのことがグループ内に亀裂をもたらしたり、友情にヒビが入ったり、更には重要なイベントの前に登場キャラに感情の起伏をもたらし、ストーリーに深みを与えるのです。

TV Tropesでの説明

この「it’s not what it looks like」は海外ドラマではテンプレ的なシチュエーションなので、テレビのお約束を集めたサイトTV Tropesで記事になっていますね:

Not What It Looks Like

ロマンティック・コメディでよくあるお約束は面白おかしい誤解、または「見た目とは違うんだから」である。

カップルが付き合うか付き合わないかで揺れていて、最終的に付き合うことになる。しかし、ちょっと待って欲しい! 女性は付き合ってる男性の一目惚れ・元カノ・その他男性に興味を持つ女性が彼のアパート・ホテルの部屋等に入っていくのを目撃する。そして、疑念を抱くに十分の時間を二人は部屋で過ごすのだ!

(中略)

しばしば、他の女性は何も起こらなかったこと伝え、男女二人の関係はまたもとに戻るのだが。多くの場合、他の女性は親戚で、女性が思ってるようなことは起きなかったことを証明する。

(中略)

このお約束の名前は、目撃された男が直後最初に言うセリフに由来する。しばしば「説明させてくれ!」が続く。

A common trope in romantic comedies is the humorous misunderstanding, or the Not What It Looks Like.

A couple teetering between Will They or Won’t They? has gradually started to slide toward “they will”. But wait! The girl sees the guy’s old crush/ex-girlfriend/other person who’s previously expressed a romantic interest in him (or vice versa) go into his apartment, hotel room or whatever, and stay for a suspicious length of time.

Often the other woman will catch on to what’s happened after a while and tell the girl what really went on, clearing the way for a slide toward “they will” again. In most of these situations, the other woman is a relative, “proving” to the girl that nothing untoward was happening.

The name of the trope comes from what is usually the first line the guy says afterward, often followed by, “I Can Explain!”

海外ドラマでの「It’s Not What It Looks Like」

それでは、海外番組の中からこの表現が使われるシーンを紹介します。

アーチャー

シリル: So, that’s your idea of a break, huh?
ラナ: Cyril! It’s not what it looks like!
『アーチャー』で、シリルはラナが男と裸で居るところを目撃する

休憩を取ると言った恋人ラナの部屋に行ってみると、ターバンを巻いた男と裸で居るところに出くわすシリル。ラナは「It’s not what it looks like!」とテンプレフレーズですが、どうやったらこの状況を説明できるのでしょうか?(笑) 恋人の元に行くと恋人が別の男(女)と裸で居るのはある意味コメディのクラシックです。

ギルモア・ガールズ

ローレライ: This is not what it looks like.
『ギルモア・ガールズ』で、ローレライはルークに服を着させる
Gilmore Girls [Credit: The WB]

ローレライがルークに似合う服を着せていると、そこにルークの彼女がやってきます。次のフレーズは当然「This is not what it looks like」ですね(笑)

glee/グリー

エマ: No, no, no, Sue. This is not what it looks like.
スー: I should have known. People who dress like librarians- All sex addicts.
Glee [Credit: Fox]

校内でエマとボーイフレンドがハロウィーンコスチュームを決めるのにじゃれ合っているのを見たスーは、部屋へ入ってくるなり「学校で変態プレイはやめろ」と二人にオカンムリ。「This is not what it looks like」でこれは違うと言うエマに耳も貸さずに、「普段司書みたいな堅い服装をしてる奴らはセックス中毒だと知っておくべきだった」と暗にエマをセックス中毒扱いです(笑)

メンタリスト

Hey, guys. It’s not what it looks like.
『メンタリスト』で、ジェーンは逮捕される
The Mentalist [Credit: CBS]

個人的に「it’s not what it looks like」のセリフで思い出すのが、『メンタリスト』のジェーンなんですよね。だって、彼は事件現場の状況を悪化させるのが大得意ですから。上掲のシーンも、一人で殺人現場に居ちゃってますし(笑)

以下は自分も何度も見た『メンタリスト』の最初のエピソードから。ジェーンは妻の直感を信じると言って、妻が夫を射殺するのを誘発してしまうんですね。ここでも、両手を挙げて「it’s not as bad as it looks」と、ほとんど同じニュアンスのフレーズで説明します(笑)

ジェーン: Honestly, it’s not as bad as it looks.
『メンタリスト』で、ジェーンは銃撃を引き起こす
The Mentalist [Credit: CBS]

最後に

今回は、海外ドラマ・恋愛コメディのお約束「not what it looks like」の紹介でした。

皆さんも、ズボンの股の部分が濡れていて、それを誰かに見られて、でも漏らしたわけじゃないのなら「it’s not what it looks like」を使ってみて下さい。信じてもらえるかは別ですけど、まさにピッタリのシチュエーションです(笑) 海外ドラマだと、この後に「What does it look like?(じゃあ、何なんだ?)」と聞かれることも多いですね。それでは〜