フランケンシュタイン
いらすとや

フランケンシュタイン博士が作った怪物

イラストから記事を書く企画第三弾は「フランケンシュタイン」・・・ではなく、「科学者フランケンシュタインが作った怪物」です。

そうなんです。この怪物の名前はフランケンシュタインではないんですよね。これはちょっとしたウンチク。この事実って海外ドラマではよく出てくる印象です。多分、キャラの性格付けがこのセリフだけでできちゃうからでしょうね。だって、次のような会話を考えてみてください:

あなた: フランケンシュタインのお面を被った奴がハロウィン会場に居てさ

相手: ちょっと待った。フランケンシュタインは怪物じゃないよ。作った科学者の名前だよ。

ね、かなりうざいですよね。重箱の隅をつつく野郎だなって感じ。「technically」を使う印象です(笑)

海外ドラマでの「フランケンシュタイン」の名前ネタ

実際の海外ドラマでも同じような場面が出てきます。

名探偵モンク

ハロウィン中にフランケンシュタインの作った怪物のコスプレをした人物に襲われた被害者。事情聴取レポートに「フランケンシュタイン」と書いておけという警部に被害者が反論します。フランケンシュタインは怪物の名前ではないと。やはりこのセリフだけで、被害者の細かい性格の一端が分かってきますね(笑)

警部: Write down “Frankenstein”.

被害者: No, it wasn’t Frankenstein. It was Frankenstein’s monster. Frankenstein was the name of the scientist who created the monster.

警部: Well, it doesn’t really matter.

被害者: Captain, you can’t just say, “Frankenstein”!

It was Frankenstein’s monster. Frankenstein was the name of the scientist who created the monster.
『名探偵モンク』で、被害者を事情聴取する警部
Monk [Credit: USA Network]

リック・アンド・モーティ

謎の寄生虫により記憶が改ざんされていくリック達。周りに寄生虫が扮するキャラが居ても、昔からの友達と感じてしまいます。そんな中、モーティーの父親に似たSleepy Garyがフランケンシュタインを見て、フランケンシュタインのウンチクを語ります。この瞬間、視聴者はSleepy Garyが寄生虫だと分かるんですね。だって本物のGaryって賢くないから(笑)

Sleepy Gary: I’ll tell you a secret about Frankenstein… He’s actually Frankenstein’s monster.
『リック・アンド・モーティ』で、ジェリーとリック
Rick and Morty [Credit: Adult Swim]

ママと恋に落ちるまで

シットコム『ママと恋に落ちるまで』でも、テッドの細かい性格を表すギミックとしてフランケンシュタインの名前のお約束が登場していました。ロビンの間違いに突っ込むテッド。

ロビン: Oh, my God, is Frankenstein gonna kill that little girl?
テッド: Uh, Dr. Frankenstein isn’t in this scene. That’s Frankenstein’s monster.
『ママと恋に落ちるまで』で、テッドとロビンは『フランケンシュタイン』の映画を見る
How I Met Your Mother [Credit: CBS]

TV Tropesでのフランケンシュタインの名前のお約束

なお、テレビのお約束を集めたサイトTV Tropes⤴️にも、このお約束の記事がありますね。一部抜粋して紹介:

Frankenstein's Monster

この怪物の名前は議論の的である。人気のある意見や幾つかの映画ではそのまま「フランケンシュタイン」と彼を呼ぶ(これは理に適っている、というのも、彼はひねくれた意味では博士の子孫だからだ)。初めは、彼の名前はアダムだった、少なくても著者が生きて読み聞かしてる間は。しかし、本の文章では、彼は一般に「生き物」や「悪魔」と呼ばれる。(フランケンシュタインは彼に名前を与えるほど気にしなかったし、この生き物も友達を持たなかったので、自身の名前を気にすることはなかった)。

The name of the monster is up for debate. Popular opinion and even a couple of the movies just go ahead and refer to him as “Frankenstein” (which does make sense, because he’s a twisted sort of “offspring” of the doctor). Originally, his name is Adam, at least according to readings given by Shelley during her lifetime. In the text of the book, though, he is generally referred to as “the creature” or “the daemon.” (Frankenstein didn’t care about him enough to give him a name, and since the creature never made any friends, he didn’t bother to name himself.)

最後に

以上見てきたように、海外ドラマでは「フランケンシュタインの名前」のお約束がよく出てきて、キャラの性格付け(細かい、神経質)に使われるのでした。『ビッグバン★セオリー』でもシェルドンが言ってたと思います。

redditでのやり取り

ちなみに、フランケンシュタインつながりでreddit掲示板に面白いやり取りがあったので紹介します。

The GOP can’t control their Frankenstein. Way to fuck up assholes.

共和党はフランケンシュタインを制御できていない。もちろん、ここではフランケンシュタインはトランプ大統領のこと。

Frankenstein was the doctor, not the monster.

やはりフランケンシュタインの名前でツッコミが入ります(笑)

An intelligent person knows Frankenstein wasn’t the monster. A wise person knows Frankenstein was the monster.

この最後の返しが秀逸なんです。

知識がある人はフランケンシュタインが怪物でないことを知っている

知恵がある人はフランケンシュタインが怪物であることを知っている

なにか禅問答のように聞こえますが、以前紹介したmonsterの別の意味を知ってれば理解できるはずです。後者は、科学者フランケンシュタイン博士は血も涙もない悪魔だと言ってるわけですね。原作で怪物に頼まれた女怪物を作るの拒否してたし。

ということで、今回はこの辺でお開きです。ではまたー