クレイジー・エックス・ガールフレンドの番宣ポスター
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

『クレイジー・エックス・ガールフレンド』がエミー受賞

自分の好きな『クレイジー・エックス・ガールフレンド』がエミー賞を受賞したと聞いてめっちゃ嬉しい! 受賞がOriginal music and lyrics部門ということで、ようやく楽曲が評価されたんですね。しかも、この前調べた『ラ・ラ・ランド』のオマージュ作品が対象じゃないですか(笑) なんという奇遇。

さらには、受賞した番組クリエイター兼出演女優のレイチェル・ブルーム(Rachel Bloom)の妊娠というダブル”おめでた”のサプライズ付き。

『クレイジー・エックス・ガールフレンド』楽曲ベスト10集計

こうなったら、以前からやりたかった『クレイジー・エックス・ガールフレンド』の曲ベスト10を作らねばと、週末頑張ってみました。これを機に、日本でも『クレイジー・エックス・ガールフレンド』の人気が出るといいなあ。

ベスト10の選出方法は私の好きな作品でも良かったのですが、客観性を持たせるため、YouTubeの再生数で集計です。なんとこの番組、楽曲をYouTubeで公開してくれているんですね。上述のレイチェル・ブルームの公式チャンネル。

ちなみに、以前はこの番組の放送ネットワークであるThe CWチャンネルでも公開されていたのですが、今見ると『クレイジー・エックス・ガールフレンド』の全クリップが撤去されてしまっているようです。番組が終了してしまったからでしょうか? まあ、クリップが一本化されてるってことは良いことですけど、反面、今回の集計がかなり狂ってしまいますね。それまで2つの公式クリップがあったのに片方が消えたのですから。今回は、再生数は50:50で均等に分散されていたという仮定のもと、レイチェル・ブルームのチャンネルだけを見ていきます。

なお、曲に関してはSpotifyでも公開されているので、アカウント持ってる方は「crazy ex-girlfriend」で検索すると出てくると思いますよ。ただ、映像付きのほうがより楽しめますけど。

一応、詳しい集計方法は下記の通り:

  • 上記レイチェル・ブルームのチャンネルに上がっている曲が対象
  • repriseなどで複数のアップロードがある場合は再生数を合算
  • 公式チャンネル以外で10万単位で再生がある楽曲はその再生数も追加
  • より新しいシーズンの作品にはボーナスポイントを加算し公平に(シーズン1の楽曲は3年以上YouTubeで公開されているので、シーズン4の最近公開作品より必然的に再生数が多くなるため)

ところで、『クレイジー・エックス・ガールフレンド』の作品は、実は有名楽曲のオマージュやパロディになってるんですよね。日本で言えば、NHK教育のハッチポッチMTVみたいな感じ、ってこの例え分かる人いるのか?(笑) だから、その元ネタの作品も今回一緒に紹介しようと思います。と言っても、私は洋楽に詳しくないので、YouTubeコメ欄やredditのスレを参考にしてパロディ元を決定してみました。メロディラインや、ミュージッククリップ映像をパロってたりで、見聴き比べるのも一興です。

今回は、ベスト10からは漏れたけど、ポイント差で惜しかった作品や捨てるに忍びないと思った作品6つを佳作として紹介します。ベストテンは次回の記事で。

それではどうぞ〜

『クレイジー・エックス・ガールフレンド』楽曲ベスト選外佳作

Santa Ana Winds

when I blow, there’s magic in the air and a higher risk of suicide!
『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、『Santa Ana Winds』の歌
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

when I blow, there’s magic in the air and a higher risk of suicide!

僕が吹く時、空気には不思議な力が宿い、自殺率が高くなるんだ!

サンタ・アナの風

サンタ・アナの風は実在する気象現象。

それを擬人化した草彅剛(?!)似の男が歌うのがこの『Santa Ana Winds』。イーの韻が心地よすぎいーですね(笑) 彼はレベッカの恋路に横槍を入れて愉しむいたずらっ子(prankster)でもあります。クリップでは、自殺率上昇を歌う際に手首を切るジェスチャーをするなど、かなりブラック(笑) パロディ元は、Frankie Vallie and The Four Seasonsでした。なるほど、それでスーツ姿なのですね。

Anti-Depressants Are So Not A Big Deal

Our lawyers won’t let us say brand names!
『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、『Anti-Depressants Are So Not A Big Deal』の歌
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

FLUOXETINE, FLUOXETINE

PAROXETINE, PAROXETINE

Our lawyers won’t let us say brand names!

フルオキセチン、フルオキセチン

パロキセチン、パロキセチン

商品名を言うことは弁護士が許してくれないの!

レイチェル・ブルーム

ランキング的には下位でしたが、冒頭で述べたようにエミー受賞作品なので佳作で入選です。ニュースで知った人がここぞと聞き出すはずなので、そのうち再生数が上がると思います。

この曲はもちろん『ラ・ラ・ランド』の『Another Day of Sun』のパロディですね。一聴瞭然って感じかな(笑) 後半タップダンスのところは、別のナンバー『Someone in the Crowd』も混じってますね。

ところで以前、両作品でダンサーが被ってる件を調査したので、そちらの記事(下記)も是非読んで下さい。そして、できれば、5人目の人物を探して下さい。。(笑)

この曲『Anti-Depressants Are So Not A Big Deal』は、日本語にすれば「抗鬱剤は大したことない」というニュアンス。深刻に捉えるなって感じ。以前紹介したno biggieと同じです。でも、さすがに商品名までは歌詞にできなかったようですね。あっちでは製薬会社に訴えられたら何十億円と取られそうですから。それで、歌詞上はフルオキセチンと化学物質名になっているようです。パロキセチンは、「パロ」とあるので架空の化学物質かと思ったら実在してました(笑)

Research Me Obsessively

Uh-huh
『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、『Research Me Obsessively』の歌
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

Research me obsessively

Uh-huh

Find an actual picture of my parents’ house on Google Maps

私の個人情報探しに取り憑かれているのね

そうよね

グーグルマップで私の親の家を探すのよね

アナ

気だるい感じでスローテンポで歌うブリタニー・スノウ扮するアナは、ドラマ内ではジョシュの新しい彼女。元カノのレベッカがアナの個人情報を探るという場面でこの曲は歌われます。そのためか、ソーシャルハッキングネタが歌詞に散りばめられていますね。たとえば、プライベート設定のインスタグラムの内容を知るために、高校時代の同級生になりすまして友達申請する等(笑) 

パロディの元はセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)の『Good For You』。聞けば即座に納得です。

The End of The Movie

Like me, Josh Groban!
『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、『The End of The Movie』の歌
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

We tell ourselves that we’re in a movie. Whoa, whoa, whoa.

Each one of us thinks we got the starring role. Role, role, role.

But the truth is sometimes you’re the lead and sometimes you’re an extra

just walking by in the background.

Like me, Josh Groban!

僕たちは自分に言い聞かせるんだ、映画の中にいるって。おーおーおー

僕たち一人ひとりは思うんだ、主役だってね。役ー役ー役ー

だけど真実はね、ある時は君は主役で、またある時はエキストラにしか過ぎないんだ

背景で歩いているだけの

僕のようにね、ジョシュ・グローバン!

ジョシュ・グローバン

レベッカがその場のノリと酔った勢いで、元カレの親父とエッチをしてしまった場面。目が覚めてその事実を知ったレベッカは、深夜の道路を一人情けなく思いながら歩いて帰宅中です。すると、そこに歌手のジョシュ・グローバンがなぜか居て(笑)、この曲『The End of The Movie』をレベッカに歌ってくれるというのがこの状況。

なんとこの番組、ジョシュ・グローバン本人にバラードを歌わせることに成功しました(笑)

その歌詞の内容は、「人生は映画みたいにはいかない、筋書きのないドラマさ。みんな下手打っても生きてるんだ」と、レベッカの犯した失敗を肯定するかの内容。でも、最後のオチがひどい(笑)

That being said it’s really messed up that you banged your ex-boyfriend’s dad.

そうは言っても、元カレの親父とやっちゃうのは、まじやばいけどね

ですって。この曲の歌詞は結構深いので、英語に自信のある方は読んでみると面白いかもしれません。

ところで、この曲はSpotifyにも『クレイジー・エックス・ガールフレンド』のCDにも、当然ジョシュ・グローバンのアルバムにも入ってない曰く付きの作品なんですよね。なんでも、ジョシュ・グローバンとの契約上それができないんだとか。ということは、この曲が聞けるのは『クレイジー・エックス・ガールフレンド』のドラマ内か、下記YouTubeだけなんです。

この曲のオマージュ元作品は、もちろんジョシュ・グローバンのバラード作品群からですよね。彼のチャンネルへのリンクを以下貼っておきます。

Dream Ghost

Dream Ghost!
『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、『Dream Ghost』の歌
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

You know the trope?

In story-telling it’s a norm.

When a person’s in trouble

a manifestation of their subconscious appears in the form of a…

Dream Ghost!

お約束を知ってるでしょ?

物語るときの定番よ

困った時に

潜在意識がとある形で具現化するの

ドリームゴーストとして!

ノエル医師

レベッカが恋に仕事に、そして何より自分自身に疲れ果て、実家があるニューヨークへ戻る機中、かかりつけの精神科医(shrink)がドリームゴーストとして登場して歌い上げるのがこの曲。もちろん、女性3人組や曲名からも、映画やミュージカルのDreamgirlsをパロディとしてますね。

ところで、3人組左の黒人女性に見覚えがある方はかなりの海外ドラマ通。別のミュージカル学園ドラマ『glee/グリー』でメルセデス役をやってた女性なんですね。そして、さらに驚くことには、この人ミュージカル版Dreamgirlsに実際出演してるんだとか(笑)

First Penis I Saw

In terms of penis I really was the greenest
『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、『First Penis I Saw』の歌
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

Not the dirtiest also not the cleanest

In terms of penis I really was the greenest

めっちゃ汚いってわけでもキレイでもなかったの

ち○ち○に関して言えば、私は青二才だったのよ

ポーラ

ポーラが人生最初の彼氏を偶然スーパーで見つけるシーン。そこから実体験をふんだんに含んだこの曲を居合わせた二人と共に歌い上げます。このスーパーの商品のほとんどがJEFFになってるのは、元カレの名前がJeffだからですね。Suggestive Vegetablesのサインも。

この曲に関しては、YouTubeのコメに面白いものが以前ありました(消されたThe CWのチャンネル):

外国人で良かったよ。この曲を道端で歌ってても、奇異の目で見られることはないからね

もちろん、男性器を意味するPenis(ピーナス)連呼を指していますね(笑) 日本でも、発音がペニスじゃないから問題なさそうw

この曲の元ネタは、言われたら納得のAbbaの『Mamma Mia』ですね。実際、クリップの一部シーンはマンマ・ミーアを”まんま”模倣していますし。

最後に

今回は『クレイジー・エックス・ガールフレンド』の曲とパロディ元の計12曲の紹介でした。これで佳作止まりですからね。ベストテンがどうなってるかは予断を許しません。

でも、YouTubeのクリップ埋め込み過ぎの気がしてきましたので、ベスト10も前後半に分けたほうがいいかもしれませんね。20はダメそう。

いずれにせよ、エミー賞受賞作品『クレイジー・エックス・ガールフレンド』は面白いのでおすすめですよ!


(追記)ベスト10の6位まで発表です↓