悪魔の話? イディオム「Speak of the Devil」の意味と語源
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「Speak of the Devil」の例
海外ドラマでは、「Speak of the devil」というイディオム的なフレーズが会話で出てくるんですが、以下出てくる場面を列挙するので、その状況からどんな意味か推測してみて下さい。
『ブレイキング・バッド』からは、スカイラーとマリーがウォルターのことを話してると、突然ウォルターが帰ってきます。マリーは「Speak of the devil」です。
マリー: Speak of the devil.
『SUITS/スーツ』では、ハーヴィーとマイクがルイスのことを話していると、秘書のドナはルイスが来たことを「Speak of the devil」で二人に伝えます。
ドナ: Speak of the devil.
『プリズン・ブレイク』の以下の場面は、マイケルが若者デイビッドを仲間に入れるかチャールズと相談してる場面。チャールズが「手は早いが、口はさらに早い」と懸念を言うと、そのデイビッドが声を掛けてきます。チャールズは「Speak of the devil」です。
デイビッド: Yo, what’s crackin’, my peoples?
チャールズ: Speak of the devil.
『アンという名の少女』では、マリラとご近所さんがステイシーの話をしてるところ。すると、ご近所さんが「Speak of the devil」言うではないですか。マリラが振り向くとステイシーが向かってくるのが見えます。
「Speak of the Devil」の意味
結局、全ての場面で、話題にしてる当事者が実際現れた際に「Speak of the devil」が使われているのが分かりますね。
こういう時、日本語では何て言うでしょうか?
「噂をすれば・・・」「噂をすればなんとやら」あたりかな? 実際、たいていの辞書にはそのように載ってますね。
「Speak of the Devil」の語源
なお、このフレーズは「speak of the devil and he shall appear」の短縮形なんだそうです:
Speak of the devil
語源
“Speak of the devil” is the short form of the English-language idiom “Speak of the devil and he doth appear” (or its alternative form “speak of the devil and he shall appear”)
つまり、「悪魔の噂をしてると、本当に悪魔が来ちゃうよ」ということわざですね。昔の人は、そうやって悪魔の話をするなと諌めたんでしょうね。
だから、現在でも、当人の噂をしてたらその当人が現れたシチュエーションで使われるんです。
かなり納得できる感じです。
『刑事コロンボ』でのセリフ間違い
なお、海外ドラマの字幕を検索していたら、「Speaking of the devil」というパターンを1件発見しました:
『刑事コロンボ』で、医者がコロンボのことを電話で話してると、コロンボが実際現れるシーン。
間違いなく「Speak of the devil」の間違いでしょうけど、そのまま通ってしまったのは面白いですね。
「Speaking Of」で話題を変える
ちなみに、speaking ofに「〜といえば」の意味があるので、特定の悪魔(the devil)の話題をしていて、「そうそう、悪魔と言えばさ」で話題を変えるために使われる「Speaking of the devil」はありかもしれませんね(笑)
以下のネットフォーラムに、このSpeak of the devil vs. Speaking of the devilの議論がありました:
Speak/speaking of the devil
結論は、「噂をすれば・・・」の意味で「Speaking of the devil」を使うのは間違いとのこと。やっぱり、コロンボのセリフはミスですね。
最後に
以上、「Speak of the devil」というイディオムの紹介でした。海外ドラマで出てくるこのフレーズも、日常ではそれほど使う機会は無い気が・・・。つまりそれだけ、海外ドラマでは都合よく話題の当事者がやってくるってことですね(笑) 作られた筋なだけあります。それでは〜
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