「Piece of Shit」の意味

海外ドラマを見てる人なら馴染み深い「piece of shit」が今回のテーマ。shitは卑語で「糞、うんこ」を意味します。そういえば、以前shitの動詞形を取り上げたことがありましたが、「うんこする」と「騙す」の意味があったのでした。

そういう意味では、今回は名詞形の「shit」についてです。

ところで、英語では「うんこ」は不可算名詞なんですね。というのも、何を持って1とするのか意外と定義が難しいのです。汚い話になりますが、排泄途中で切れたら、果たしてうんこは2なるのでしょうか?と言った疑問が出てきます。だから不可算名詞にして、単位を付けた方が都合がいいのですね。

例えば、漫画などでよくある「とぐろを巻いたうんち」は、英語では「pile of poo」と言った具合です。顔がついてキャラになっているので、幼児語でうんちを意味する「poo」になってますね(笑)

トグロを巻いたうんち
pile of poo emoji

ここまでくれば「piece of shit」の意味が分かると思います。1本のうんこ、1片のうんこという意味。道端に落ちていて油断してると踏んじゃう厄介なやつです(笑)

ただし、「piece of shit」がこの意味で使われる場面は見たことありません。日常会話では必ず「人」を指して使われます。意味は「人間のクズ、カス、クソ野郎」といった感じ:

piece of shit

(idiomatic, vulgar) A despicable person.

(イディオム的、下品)卑劣な人物

日本語でも「クソ野郎」というので、発想はほぼ同じですね。

以上が「piece of shit」についての解説でした。軽蔑するくらいの卑しい見下げた人のことを下品に言ってるんです。なお、shitは一部放送局では検閲される単語でもあるので実際の使用には注意です(pussyのように)。

海外ドラマの「piece of shit」

以下、海外ドラマでどんな人物のことを「piece of shit」と言っているのか、いくつかピックアップしてみます。

ブレイキング・バッド

ハンク: Get a big old raging hard-on at the idea of catching this piece of shit. My apologies to the H.R. department.
『ブレイキング・バッド』で、ハンクは同僚の前でトゥコ・サラマンカのブリーフィング
Breaking Bad [Credit: AMC]

部下の前で麻薬売人トゥコ・サラマンカのブリーフィング(状況説明)をするハンクは、トゥコをthis piece of shitと言います。しかし、人事部職員も後ろで聞いていたらしく、直後に言葉遣いを謝ります(笑) ここはhard-onも勃起の意味なので、かなり汚い言い回し(捕まえるところを想像して勃起しようと言っている)。親しい仲間内ならこれでもいいのですが、第三者が居るとなると話は別ですね。

ベター・コール・ソウル

刑事: You’re the one who spilled the coffee, you ambulance-chasing piece of shit!
『ベター・コール・ソウル』で、コーヒーをこぼされた刑事はジミーを非難
Better Call Saul [Credit: AMC]

クライアントであるマイクの無罪放免を勝ち取るため、弁護士ジミーは証拠物件に偶然を装ってコーヒーをこぼします。それに激怒の刑事は、ジミーのことを「ambulance-chasing piece of shit」呼ばわりです(笑) ambulance-chasingは、悪徳弁護士が案件求めて救急車を追いかけるところから。

なお、直前のコーヒーをかける場面で、ジミーは「Shit!」と言ってるんですよね。ここは間投詞で「しまった、くそ!」といった驚きや苛立ちの表れで、shitのまた違った用法。もちろん、故意なので演技なんですけどね(笑)

ジミー: Oh, hey. Shit!
『ベター・コール・ソウル』で、ジミーは刑事にコーヒーをかける
Better Call Saul [Credit: AMC]

神話クエスト

ポピー: I hate Pootie Shoe.
ブラッド: Yeah, he’s a real piece of shit.
『神話クエスト』で、ウンチシューズのストリーミングを見るポピーとブラッド
Mythic Quest [Credit: Apple TV+]

実は今回「piece of shit」を取り上げたのは、シーズン2の復習に『神話クエスト』シーズン1を見ていて、上記面白いシーンを見つけたから。以下、何故このセリフが面白いのかを解説。

『神話クエスト』はネトゲー会社を舞台にした作品ですが、14歳のゲームストリーマーも登場します。彼は多くのフォロワーを抱えていて、ネトゲー会社も頭が上がらない存在。

そんな彼の名前は「Pootie Shoe」なんです。Pootieは上での説明に出てきた「ウンチ」を意味する「poo(poop)」を可愛く響くようにした造語、Shoeはもちろん「靴」だから、日本語直訳は「ウンチの靴」です。実際、彼のストリーミングのオープニングには、うんちを踏む靴が出てきます(笑)

『神話クエスト』で、ウンチシューズのストリーミングオープニング
Mythic Quest [Credit: Apple TV+]

だから、日本語訳が「ウンチシューズ」なわけですね。

そんな彼は、毎晩ゲーム「神話クエスト」をやりながらモニターの向こうのフォロワーに言いたい放題。彼の一言でゲームに追加された新機能の成否が決まってしまうくらいの影響力なんです。

『神話クエスト』で、ウンチシューズのストリーミング
Mythic Quest [Credit: Apple TV+]

だから、ゲーム開発者ポピーからすれば「I hate Pootie Shoe」となるわけだし、そして、課金担当ブラッドは「a real piece of shit」で人間のクズと言い放つんです。

ここでrealが付いていることに注目です。彼のハンドルが「ウンチシューズ」で元々ウンチなんですね。そのため、わざわざrealを付けて「本当のpiece of shit」と言ってるのでした(笑)

最後に

今回は文字通りのウンチではなくイディオム的な意味の「piece of shit」を見てみました。「人間のクズ、腐った人間、クソ野郎」といったニュアンスですね。上司が部下に残業させて自分は定時に退社したら、そいつは「piece of shit」なんです。って、我ながら分かりやすい喩えじゃない?(笑)

日常生活では使い所がないと思いますが、海外ドラマでは割とよく出てくると思います。覚えておいて損はないでしょうね。

万が一使う場合は、単なる「shit」ではないのでご注意を。「piece of shit」としましょう。shit単体はまた別の意味が色々ありますが、それはまた別の話。

それでは〜


『神話クエスト』の感想↓