マーブルに魅了される? 「Marbles」の持つ意外な意味と語源
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Marble(マーブル)の普通の意味
マーブル(marble) って単語は聞いたことある人が多いんじゃないでしょうか。大理石とか、大理石模様のことですね。これは英語日本語共に同じ。
YouTubeで「marble, paper」なんかで検索すると、マーブラー(?!)な方々が、マーブル模様の作り方を解説した動画がたくさん出てきます。昔、自分もワークショプでやったことを思い出しました。絵の具の混ぜ方が結構難しいんです。
ちなみに、脂肪が乗った肉もmarbleで形容されますね。こちらもYouTubeで検索すると、なぜか和牛(wagyu)が大量にヒットします(笑)
ところで、英語のmarbleには「ビー玉・おはじき」の意味もあります。
実際、日本の一部の地域ではビー玉をマーブルと呼ぶみたいです:
ビー玉
山陽地方や瀬戸内海島嶼では「マーブル」「マーブロ」も聞かれる。その語源は英語のmarbleと思われ、かつてこの地方がカリフォルニアやハワイへの移民の故郷であったことと関連があるかもしれない。
複数形「Marbles」の意味
そんなmarbleの複数形marblesに「正気」の意味があるのはかなり不思議な気がします。だって、大理石模様の不規則なパターンはsanity(正気)というより、insanity(狂気)の方がしっくりくる感じですからね(笑)
marbles
(比喩的に、通常、限られた数の表現内で)正気。
(figuratively, usually in a limited number of expressions) Sanity.
「Marbles」の語源
そこで、この正気を意味するmarblesの語源を追ってみたら、なんと単なる誤った翻訳が原因でした:
marbles
フランス語で家具を意味するmeubles(複数形)の誤った翻訳
a corrupt translation of French meubles (plural) “furniture”
英語のfurnitureにはどうも「心の備え」の意味があるようです。それを気取った人がフランス語で言おうとしたら、meublesとすべきところをmarblesにしてしまった・・・って感じかな、おい(笑)
まあ、でも、言葉ってだいたいこんな感じですよね、理屈じゃないんで超適当。偽でも一度広まったらそれが最後。それを理屈で覚えようとするとメチャクチャ大変なんですよね。
でも、ご安心下さい。この記事の最後のクリップを見れば、marblesの意味が正気なのは絶対忘れませんから。
海外番組でのMarblesの使用例
と、その前に、海外番組でこのmarblesがどういった感じで出てくるかだけ見ておきます。
『ビッグバン★セオリー』のmarbles
まずは『ビッグバン★セオリー』。シェルドンは大嫌いな鳥🦜と仲良くなります。バーナデットは、その愛らしい様子をawで表現した後、シェルドンと鳥を祖母とオウムに重ねます。でも、祖母が正気 を失った(lose one’s marbles) 後は、オウムではなくなりリモコンになったようですね。つまり、ボケてリモコンをオウムと勘違いしてるんですね(笑)
『ギルモア・ガールズ』のmarbles
お次は『ギルモア・ガールズ』のローレライ。祖母のエミリーは娘ローレライと孫娘ローリーを引き連れてデパートにやってきます。ローリーが帽子を気に入ると、スカーフから手袋まで一式全部買ってあげます。その散財ぶりを見た娘ローレライは、母親の頭からビー玉がこぼれ落ちて床に散らばったようだと形容。marblesは「正気」の意味なので、正気を失っていると暗に言ってるわけですね(笑)
ローレライ: Hey, see those marbles rolling on the floor? They’re Mom’s. They spilled out of her head.
『アンという名の少女』のmarbles
『アンという名の少女』では、近所の人がアンを養子にしたカスバート一家を「正気を失って(lose one’s marbles)」いなければ、と噂する場面。というのも、一度アンを孤児院に送り戻し、その後再度引き取ったという行動が腑に落ちないからですね。さすがに、男の子を期待していたというのは知っていないご様子。
『Key & Peele』のコメディ作品「Marbles」
最後は『Key & Peele』という二人のコメディアンによるお笑い番組から。ここでこの二人のことを少し説明しておくと、キーガン(Keegan-Michael Key)はお笑いだけでなく役者としても大活躍中。最近だとネトフリの『カレッジ・フレンズ』に主役として出演。ジョーダン(Jordan Peele)の方は映画監督としての才能を開花させて、ホラー映画『Get Out』でオスカーまで取ってます。そんな才能あふれる二人が昔やっていた寸劇(skit)の一つが以下のMarbles。公式チャンネルからです。
州検事アシスタントとして働くことになった男(キーガン)は、州検事(ジョーダン)の机の上に置いてあるビー玉入りの瓶に心を奪われてしまいます・・・。これだけでも普通に面白いのですが、marblesに正気の意味があることを知っていると、更にニヤリとさせられること請け合い。そして、こういう映像を通して「marbles=正気」を理解すると、なかなか忘れられないもんなんです。
最後に
今回はmarblesに正気の意味があることを見てみました。映像化されていると覚えやすいですよね。だから、英語勉強に海外ドラマ・映画視聴がおすすめなんです。
個人的に思ったのは、昔、ルー大柴的にイキってフランス語を間違って使った人が居なければ、上で紹介した『Key & Peele』の寸劇も産み出されなかったわけですよね。そういう意味では、その人に感謝したい気分ですね(笑) それでは〜
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