世界共通バナナの皮で滑るネタ

海外ドラマ・映画では「バナナの皮で滑るお約束がたまに出てきます。といっても、実際滑ってる人は見たことなく、単に言及だけですけど。

これって個人的にすごく面白いんです。だって、「バナナの皮🍌=滑る」という方程式が日本だけではなく、世界的な事象ってことですから。

バナナの皮を踏む瞬間
Image by Steve Buissinne from Pixabay

海外ドラマでの「バナナの皮で滑る」ネタ

以下、海外ドラマのセリフで「banana peel(バナナの皮)」が出てくる場面をピックアップしてみます。英語では皮🍌は「peel(剥く)」なんですね。

『ギルモア・ガールズ』から

例えば次の『ギルモア・ガールズ』では、挨拶がてらテイラーの足の具合を心配するローレライ。誰かがバナナの皮を玄関に置いたみたいです。

ローレライ: Still haven’t found out who put that banana peel on your doorstep, huh?
『ギルモア・ガールズ』で、テイラーはバナナの皮で滑って骨折
Gilmore Girls [Credit: The WB]

『ビッグバン★セオリー』から

他にも、『ビッグバン★セオリー』では、シェルドンが鳥と仲良くなったのを見たエイミーがカゴに入れた方が良いとアドバイス。というのも、自分が実験で飼っていた猿が、バナナの皮で滑って死んだから(笑) 猿も木から落ちる系ですね。ここのhystericalは大笑いの意味

エイミー: If you’re keeping him, I’ve got a cage you can borrow. One of the test monkeys slipped on a banana peel and broke his neck. It was both tragic and hysterical.
『ビッグバン★セオリー』で、エイミーの飼っていた猿がバナナの皮で滑る
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

「バナナの皮🍌=滑る」方程式の起源

このように、バナナの皮で滑るネタって結構な言及があるんです。

でも、ちょっと疑問もあるんですよね。皆さんは、バナナの皮で実際滑った人って見たことあります?? 自分は見たことないんですよ。というか、そもそもバナナの皮なんて普通道端に落ちてない気が・・・(笑)

バナナって昔は入院したときしか買ってもらえないほど入手が難しい高級品だったようですし。その割に、自分は「バナナの皮🍌=滑る」という方程式を知ってるんですよね。これって、子供のときに読んだマンガとかアニメの影響なんでしょうね。それでは、そのマンガやアニメの作者はどうやって「バナナの皮🍌=滑る」って方程式を見出したんでしょうか?

そんなことを漠然と考えながらカオスなインターネットをさまよっていたら、テレビのお約束を集めたサイトにバナナの皮🍌のお約束が解説されていました。その中に非常に面白いことが書かれていました。以下、抜粋を日本語に訳出してみます:

Banana Peel

バナナの皮の怪我をさせる小道具としての利用は実は驚くほど現実的で、20世紀初頭のアメリカ都市の通りで見られたことに関連する。

冷蔵と輸送技術の発展はアメリカ国内でバナナを人気フルーツに押し上げる。

そして、反ポイ捨て法以前の時代においては、人々はバナナを食べるとその場に皮を捨てた、どこに居ようとも。

皮が腐るにつれ、皮は非常に滑りやすくなり、それ故、それを踏むことは危険を伴うことになる。

事実、バナナの皮は事故や負傷の大きい部分の原因となった、足の切断につながる多くの深刻な足の骨折などが含まれる、同時代の情報源によれば。

この問題は悪化の一途をたどり、近代の都市道路の公衆衛生を維持するシステムが発明される、主にバナナの皮に対処するため。

ニューヨークでは、実際、バナナの皮は近代公衆衛生の象徴のようなものになった。

このことは、しばしば敬意を評される、マンガのキャラがゴミ箱やゴミ収集車、なんらかの公共公衆衛生の機器に突っ込む時に。

彼は少なくても一皮のバナナを被った状態になることで。

the use of a banana peel as an injurious prop is actually alarmingly realistic and a reference to its ubiquity on the streets of American cities in the early part of the 20th Century.

Refrigeration and shipping speed had combined to make bananas the most popular fruit in the country,

and in that age before anti-littering laws, people would just eat the fruit and discard the peels wherever they were.

As they rotted, the peels would become quite slippery and thus dangerous to tread upon.

Banana peels were in fact responsible for a large number of accidents and injuries, including several severely broken legs that eventually had to be amputated, according to period sources.

The problem grew so bad that modern urban street sanitation systems were invented mostly to deal with the peel;

in New York City, the banana peel actually became something of a symbol of modern sanitation.

This is also frequently homaged, just about anytime a cartoon character ends up crashing into a trash can, garbage truck, or any other public-sanitation device,

he’s likely to find himself having at least one banana peel stuck to him.

そうなんです。

アメリカでは過去、バナナの皮はマジでやばかったんです!(笑)

なるほど、それでバナナの皮のお約束が公衆衛生が発達した現代においても長年生き残ってるわけですね。だって、バナナの皮で足切断の憂き目にあうなんて、ちょっと信じられない。もし自分だったら・・・泣きますよ(笑)

それが、海外のマンガ・アニメ・海外ドラマ経由で日本に入ってきて、日本でも「バナナの皮🍌=滑る」という方程式が広まったということでしょうか。日本では全然バナナの皮で困ってはいなかったけど。バナナの持つイメージにぴったしマッチしたんですね。

今では単なる笑いの一つのお約束「バナナの皮🍌=滑る」が、実は全然笑えない深刻な歴史を持っていたというのは、ただただ驚嘆するばかり。それで、この情報を独り占めするにはもったいないので、今回皆さんにもシェアさせて頂きました。

イグノーベル賞の研究

ちなみに、覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、バナナの皮の滑りやすさの研究で、なんと日本人研究者がイグノーベル賞を取っているんですよね。

こういうのを見ると、誰からも興味を持ってもらえるテーマ選択って重要。これなんか「バナナの皮🍌=滑る」がuniversalであることの証左ですからね。それでは〜


バナナ共和国になると・・・↓