否定するけど内容が具体的過ぎて逆に事実とバレるお約束
広告
![The Good Place [Credit: NBC] 『グッド・プレイス』で、エレノアとチディ](the-good-place-eleanor-chidi.webp)
詳細な否定は肯定に繋がるお約束
友達: お前は花子のこと好きなんだろ?
あなた: 好きじゃないやい! ラブレターを書こうと思ったことなんて一度もないんだからな!
今回はコメディでよく見るお約束(トロープ)の「詳細な否定をして事実とバレる」を紹介。
と言っても、上で私が挙げた学生同士の架空の会話を見ていただければ、言わんとすることは分かるかと思います。
そう、否定をするだけでいいのに、ラブレターとか誰も聞いてない詳しい内容を自ら話すので、事実であることがバレるんですね(笑)
TV Tropesでの「Suspiciously Specific Denial」
このお約束は洋の東西を問わずストーリーテリングでは頻出なので、TV Tropesのサイトでも取り上げられていました。その名も「疑わしくも具体的な否定」:
Suspiciously Specific Denial
「誤った安心感」はうまくいく、というのも話し手は曖昧に努め、十分非具体的にすることで人の目を眩ませるからだ。他方、「疑わしくも具体的な否定」は失敗する、何故なら話し手は多くのことを話し過ぎるからだ。これは意図してないのかもしれない、話し手がパニックであったり、嘘が下手だったり、または単にちょっとおバカなのかも。このお約束は、しばしばキャラが悪役ではないことを確立するのに使われる。
A False Reassurance works because the speaker is being vague and non-specific enough to pull the wool over someone’s eyes. A Suspiciously Specific Denial, on the other hand, fails because the speaker is Saying Too Much. This may be unintentional, such as when the speaker is panicked, is a Bad Liar, or perhaps just a little stupid. Often used to establish that you’re Most Definitely Not a Villain.
確かに、このお約束を言わされるキャラが悪役だったら、ちょっとズコー感ありますので、サブキャラなんかが言う感じなんでしょうかね。
海外ドラマでのこのお約束の例
なお、TV Tropeの記事には、このお約束が出てくる海外ドラマがいくつか紹介されていましたので、以下見ていこうと思います。
ビッグバン★セオリー
スチュアート: Oh, yes, thank you. I like to think of fun things like that… because I’m fun, I’m not clinically depressed at all.
![The Big Bang Theory [Credit: CBS] 『ビッグバン★セオリー』でコスプレパーティーを開くスチュアート](tbbt-stuart-cosplay.webp)
『ビッグバン★セオリー』では、コスプレパーティーを開いたスチュアートが女性から褒められると、思わず「僕は臨床的にうつではない」と言ってしまいます。そうだと言ってるのも同然ですね(笑)
フレンズ
![Friends [Credit: NBC] 『フレンズ』で、女性から好かれるレイチェル](friends-rachel.webp)
レイチェルを好きになった女性は、それを本人から指摘されると否定。でも、ボーイフレンドと寝る時にレイチェルの顔を思い浮かべないは具体的すぎますね(笑)
クレイジー・エックス・ガールフレンド
部下: I don’t know. She’s not at the county jail doing pro bono work for inmates while she’s on the clock.
![Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW] 『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、ナサニエルと部下の弁護士](crazy-ex-girlfriend-nathaniel.webp)
ポーラが会社に居ないことが多い事に気づいた上司ナサニエル。部下にどこに居るのか聞きますが、郡刑務所でのプロボノではないはちょっと具体的すぎますよね。なお、on the clockは勤務中というイディオム。AWOLは無断欠勤。
最後に
今回はストーリーテリングのお約束「具体的過ぎる否定で事実とバレる」を紹介してみました。どこかで一度は目にしたことのあるお約束だと思います。ただ、現実でこれをやる人はいるのでしょうか?
このお約束の背景を考えてみると、人間という生き物は、具体的な嘘を咄嗟に付けないものなので、それで逆に事実とバレるんでしょうかね。また、具体的内容を知っている本人にとっては、その内容を頭の中で繰り返し考えているので、具体的感が徐々に薄くなっていくということもあるかもしれません。
皆さん、否定するときは注意しましょう。それでは〜
広告