王道進行で有名な洋楽『君の瞳に恋してる』

楽曲『君の瞳に恋してる』は日本人なら一度は聞いたことあるかもしれません。

知らない人向けに、以下楽曲のクリップを貼っておきます:

多分、一度は聞いたことあると思うんですがどうでしょう? 日本でも世界的にもボーイズ・タウン・ギャングのカバーが最も有名だと思います。この曲はいわゆる王道進行の代表例で、DNAに刻まれているのか日本人が好む傾向にあるといった話が以前あったと思いますが、それはまた別の話。

『君の瞳に恋してる』の英語名は『Can’t Take My Eyes Off You』?『Can’t Take My Eyes Off Of You』?

さて、そんなアップリフティングな『君の瞳に恋してる』ですが、英語での原題は『Can’t Take My Eyes Off You』。つまり「君から目が離せない」と言ってるわけですね。だって、君はtoo good to be trueだから。

そんな英語楽曲名ですが、面白いことに調べてると2つのパターンがあることが分かります(特に、日本のカバーが何故か後者が多い)。それが『 Can't Take My Eyes Off You』と『Can't Take My Eyes Off Of You』なんですね。「of」があるか無いかの違い。

今回はこの差が妙に気になったので少し調べてみました。いろいろな議論がネット上では喧々諤々交わされていましたが、個人的に納得できた説明を以下シェアしたいと思います。

なお、実はもう一つのパターン『Can't Take My Eyes Of You』もあるのですが、こちらは単なるスペルミスみたいなので今回は除外します↓(笑)

『君の瞳に恋してる』のカバー、Boys Town Gang: Can't Take My Eyes Of You
Boys Town Gang: Can't Take My Eyes Of You

『Can’t Take My Eyes Off You』と『Can’t Take My Eyes Off Of You』の「Of」の有無の謎

結論

最初に結論から言っておきます。違いはありません。ただし、英語では一般的には『Can't Take My Eyes Off You』ですね。だから、日本で『Can't Take My Eyes Off Of You』と表記されることが多いのが意外。

前置詞「Off Of」

まず「off of」ですが、これは「〜から」を表す前置詞として使われているみたいです。

off of

Preposition(前置詞)

(now colloquial) Off; from.(今や話し言葉); 〜から

この語法は15世紀から始まったみたいですが、今でも(アメリカでの)日常会話で登場します。

モダン・ファミリー

以下の『モダン・ファミリー』の場面では、「キャムの膝から赤ちゃんを押した」んですね。fromとかout ofって感じ。押したんでon Cam’s lapではなくなったのです。

ミッチェル: She pushed a baby off of Cam’s lap.
『モダン・ファミリー』で、ミッチェル
Modern Family [Credit: ABC]

グッド・ウィッチ

次の場面ではフォーカス・注目がジェイクから離れないようしたいってわけ。つまり、focus onを続けるってこと。

警察: I know that you wouldn’t want to take the focus off of Jake?
『グッド・ウィッチ』で、市長
Good Witch [Credit: ITV Studios]

ブレイキング・バッド

この「off of」が最も登場するのが次のフレーズ「Get off of me」。俺から離れろ、手を離せといったニュアンス。

次の場面は、薬でラリってるジェシーをウォルターが叩き起こしているところ。ジェシーは「Get off of me」で掴んでいる手を離せと言います。よく見ると首掴んでますね(笑) 裸なので掴むところが自然と首になるのでしょうか。

ウォルター: Where’s the product?
ジェシー: Get off of me.
『ブレイキング・バッド』で、クスリでハイのジェシーを叩き起こすウォルター
Breaking Bad [Credit: AMC]

「Off」が「Off Of」より好まれる理由

なお、上で違いはないと書きましたが、英語では圧倒的に『Can't Take My Eyes Off You』なんですよ。その理由がWiktionaryの補足に書いてありました:

off of

Usage notes(使用上の注意)

The use of off of as a preposition is now considered tautological or incorrect by some usage guides and is not suitable for formal or business use. Off of can be replaced with on, from or off: “This is based on (off of) his first book”; “I got the information from (off of) the Internet”; “He took a paper off (off of) his desk”.

前置詞としての「off of」の使用はいくつかの文法入門書では類語反復的、間違っていると考えられており、形式的、ビジネス上の使用には適さない。「off of」は「on」「from」「off」で置き換えることができる。・・・(例は略)

このように「off of」はどうも繰り返している響きがするようなんです。それはtautologicalという表現に現れていますし、なにより次のフォーラムでも:

Is it "Can't take my eyes off you" or "Can't take my eyes off of you"?

It does sound rather convoluted to use “off” and “of” together

と「off」と「of」の同時使用はconvoluted(複雑に入り組んだ)とまで言われる始末。

「Off」はイギリス英語、「Off Of」はアメリカ英語

また、「off」と「off of」にはどこで話される英語かの違いも様々なサイトで言及されていました。

まず、Websterのおじさんの正当な後継者Merriam-Websterの辞書から:

off of

Usage of Off of

It is much more common in speech than in edited writing and is more common in American English than in British.

書き言葉より話し言葉で英国英語よりアメリカ英語でより普及している。

他にも、上で紹介したquoraでも:

Is it "Can't take my eyes off you" or "Can't take my eyes off of you"?

In the UK “off of” sounds sub-standard, even uneducated. But I know that it is viewed differently in the USA, where even well-educated people see it as perfectly normal.

英国では「off of」は標準以下で、時に教養がなく響く。しかし、アメリカでは異なっているを知っている、教養がある人だって完全に普通だって見なすんだ。

最後に言語フォーラムでも:

I can't take my eyes off you

It’s an American thing; in Britain that’s grammatically incorrect.

それはアメリカ特有のやつなんだ。英国では文法的に誤っているんだ。

と、アメリカ英語とイギリス英語の違いもあるようです。

「Off Of」の発音

最後に発音について。冒頭で紹介したBoys Town Gangの『Can't Take My Eyes Off You』クリップを耳をかっぽじって聞いてみて欲しいんですけど、女性は「Off Of」とは発音してないんですよね。ただ「off」の後にシュワサウンド的な1音が入っている感じなのです。

I can't take my eyes off you

On YouTube I found a video of Frankie Valli singing the song from 1967 (the clothes!!!:eek: :D). He says “Can’t take my eyes off a you”

Frankie Valliが歌っている『君の瞳に恋してる』をYouTubeで見つけたけど(服装がww)、 彼は「Can’t take my eyes off a you」と言っているよ

Well, yes, but I think that “a” is an abbreviation of “of” and not an elongation of “off.” Otherwise it would be “o-off.” ;) (and it would sound bad!).

ああ、そうだね、でも「a」は「of」の省略 で「off」の延長ではないと思うよ。じゃないと「o-off」になるはずで、それは響きが悪い

いずれにしても、歌うときは『Can't Take My Eyes Off You』の方が日本人的には圧倒的に歌いやすいはずです。

Eyesと複数形の理由は・・・

当然目玉が2つあるからですね。つまり、独眼竜政宗やオウムを肩に載せた隻眼の海賊がこの曲を歌うのなら「Can’t take my eye off you」です(笑)

最後に

今回は日本人にもご機嫌なメロディーでお馴染み大ヒットナンバー『君の瞳に恋してる』の英語タイトルの謎『 Can't Take My Eyes Off You』と『Can't Take My Eyes Off Of You』の「of」の有無の謎について調べてみました。

結局どっちでもいいのですが、『 Can't Take My Eyes Off You』が主流なので、日本でもそっちメインでいいんじゃないでしょうか?

日本ではZARDやMISIAが『Can't Take My Eyes Off Of You』を使ったようなので、そっちが隆盛を極めたんでしょうか? この辺は調べてみると面白そうです。日本人あるあるとしては、多分、最初の人の選択に以降の歌手が右に倣えしたパターンでしょうか?(笑) それでは〜