婉曲表現「○-word」、○はABCDEFGHIJKLMEOPQRSTUVWXYZの一字
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“Say what?”
“The S-word.”
“I’m the Savior.”
タブーな単語を言語化する時の婉曲表現「○-word」
どんな言語にもタブーな語彙というものはあるんですね。そういう単語は人前やフォーマルな場では使ってはいけないという社会通念があるのも共通。
通常、これらの単語は粗野猥褻差別宗教的なものですが、それ以外にも普段は普通に使える単語が使えなくなる状況というのは往々にしてあるものです。
例えば、明らかにかつらの上司と飲みに行ったら「ハゲ」という単語は一躍タブーになりますし、受験生が周りにいたら、「すべる」や「おちる」が禁句になるのも同様。
でも、その単語を使わないとコミュニケーションが成り立たない場面も往々にしてあります。そんな時、英語では婉曲的に
その単語の頭文字 + word
で言うんですね。fuckだったらF-word(F word)と言う感じ。
単語そのものを言ってないから婉曲的になってるというのは英語にはよくあって、例えばbullshit(ナンセンス)は一部で放送禁止用語ですけど、CNNではBSとすれば言えたり、驚きを表すフレーズ「ジーザス」も「ジー(gee)」になればOK等。
上で出した日本語の例を敢えて英語のパターンに当てはめれば、ハゲは「ハ-word」、すべる、おちるは「す-word」「お-word」。うーん、やっぱし日本語にはなじまないな。
そこで、そんな英語での「○-word」を集めてみました。上で述べたように、状況によってはすべての単語がタブーになり得るので、ここではある程度一般的なものに縛ってあります。
なお、洋書『English as a Second F*cking Language』や海外番組『あなたの知らない卑語の歴史』がこのネタに関しては結構カバーしているのでおすすめ。
A-word: ass, arse
aで始まるタブーな単語はass(英国英語でarse)、つまり「ケツ・尻」のこと。普通はbuttを使って回避が可能。
B-word: bitch
b-wordはみんな大好きbitch。女性にも男性にも使用可能。
we can’t deny that the b-word holds great power, and with it comes great responsibility.
C-word: cunt
放送禁止用語cunt。女性の性器の意味で、女性に使えば女性を侮辱することに。
there’s not that many words that you can call a guy and have them get as mad as, like, the c-word would make a woman. And “pussy” is just one of them.
↑を数学の比例式で言えば、c-word : 女性 = p-word : 男性
D-word: dick, damn
dickは男性器、damnは「畜生」と罵りなので、状況によってはタブーに。
-we could be talking about the D-word here.
-Dick?
E-word
収集中
F-word: fuck, faggot
みんな大好きfuck。性交の意味で使われることはあまりなく、実際ほとんどは粗野な強調。what the fuckとその頭文字語(WTF)か超有名。f-bombでfucking fuckとかになると何を強調しているのかわからないことも。
もう一つのfaggotは同性愛者を罵る言い方。
Geez, listen to me. I said “the fucking line.” I hardly ever said the F-word before
G-word: God
神聖な神の名前をみだりに口に出してはいけないと考えてる人にとっては単語「God」はタブー。そんな信心深い人は周りにいたら「G-word」でいらぬ混乱を回避するのが大人。
H-word: Hell
ヘルは地獄。これも宗教。つまり、宗教 is a b-wordということ。
-All she kept saying was, “Howie. Howie.”
-Shh. Don’t say the H word.
I-word: illegal immigrant
Wiktionaryによれば、密入国者(illegal immigrant)を指してi-wordが使われるみたい。たしかに、アメリカでは政治的に大っぴらに語れない話でもありますね。
i-word
(婉曲表現)違法、不法在留外国人、不法入国者。
(euphemistic) The word illegal, illegal alien, or illegal immigrant.
J-word: Jesus
また宗教かよ、ジーザス!
G-wordを参照せよ。
K-word: kike
これは自分は知らなかったけど、kikeは侮辱的にユダヤ人を指す言葉なんですね。
k-word
ユダヤ人。
(euphemistic) The word kike.
kike
(アメリカ、侮辱的、民族的中傷、宗教的中傷)ユダヤ人。
(US, offensive, ethnic slur, religious slur) A Jew.
L-word: love
I love youを言えるかどうかはラブコメの定番なシチュエーション。つまり、loveという単語は非常に大きな意味を持つのです。そのため、その単語を回避する言い方がL-word。
Look, Leonard, you have to know how much I care about you. It’s just that I’ve said the L word too soon before and it didn’t work out very well.
M-word: Motherfucker
Motherfuckerは「この野郎、てめえ!」という意味だけど、F-wordが入っているのでタブー。
N-word: Nigger
黒人に対して絶対使ってはいけない言葉ニガーがN-word。このブログでは、以前CNNクオモのF-word論争で登場済み。
ちなみに、我々はniggerを使ってはいけませんが、黒人同士なら可能というのが面白いところ。それは、関係の近さの証になるからですね。
It’s like the N-word and the C-word had a baby and it was raised by all the bad words for Jews.
O-word
収集中
P-word: penis, pussy
penisは男性器、発音はピーナス。pussyは女性器。発音はプッシー。 こういう単語は、洋の東西を問わず、人の面前で使ってはいけないのです。
-He takes the kitty to the potty?
-I thought we discussed the P-word.
Q-word: queer
クィアは同性愛者を差別的に言う単語。リアリティ番組『クィア・アイ』で有名になったかな。
q-word
同性愛者。
The word queer.
R-word: retard
retardは知恵遅れの意味。
-R-word?
-Don’t make me say it. Retard…
過去に、この単語を使わないよう求めるキャンペーンがアメリカではあったようです:
Spread the Word
Spread the Word: Inclusionは世界的なキャンペーンで、知的・発達障害がある人々を受け入れるよう活動する。Spread the Word to End the Wordとして始まり、アメリカでのキャンペーンは単語「retard(知恵遅れ)」「retarded(知恵の遅れた)」を使わないよう推奨する、しかし、2019年にその目標と範囲は拡大された。
Spread the Word: Inclusion is a global campaign working towards inclusion for all people with intellectual and developmental disabilities. It started as Spread the Word to End the Word, a US campaign to encourage people to pledge to stop using the words “retard” and “retard”, but broadened both its goals and its scope in 2019.
S-word: shit
Holy shit! shitはうんこの意味。だから使っちゃだめ。どうしても使いたいならcrapの方がいくぶん柔らかめ。
T-word: tranny
trannyは性転換した人のこと。LGBTQ界隈はいつだってタブー。
tranny
(スラング、主に軽蔑・侮辱的)性転換者、トランス・ジェンダー、服装倒錯者(異性の服を着たがる人)、通常性転換した女性(生まれた時は男性)。
(slang, chiefly derogatory, offensive) A transsexual, transgender or transvestite person, usually a trans woman.
U-word: union
今までと毛色が違うunionの意味は、労働組合。組合活動はアメリカではちょっとしたタブーなので、仕事中は符丁でU-wordと言われます。そういえば、アマゾンの倉庫で働く従業員が労働組合を 立ち上げようとしたとかニュースになってましたね。
V-word: vagina
女性器の意味。そこまでタブーじゃない。
W-word: whore
売春婦の意味。そこまでタブーじゃない。
X-word: xenophobia
ネット上では、日本人はxenophobiaと思われています。
x-word
xで始まる単語で通常タブーとみなされているもの。外国人嫌い等。
Any word beginning with the letter x that is not normally taboo but is considered (often humorously) to be so in the given context, such as xenophobia.
Y-word
収集中
Z-word
収集中
最後に
今回は「○-word」という婉曲表現を見てみました。結局タブーなジャンルは、エログロシモネタ、差別、宗教ってところですね。言葉は変われど、そこに住む人間の精神は全く一緒ってこと。空いているところは、収集でき次第追加していきましょう。それでは〜
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